超えたものにしか分からない都会と田舎の格差〜その4〜

時事問題/その他

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(なんか都会と田舎の格差の話から、自身の体験話にシフトしてきているけど続けます)

東京で働きだして、最初の何年間かはずっと違和感を持って働いていた。
地方都市である地元と、東京都心では人の属性が大きくことなっていた。

大学までを関西で過ごした自分には、その東京の人たちについていくことがなかなかできなかった。

正確には東京でも豊かな家庭に生まれて、有名大学を出て、一流企業にはいったような人たちだ。

地方にいれば頭のいい子でいられた自分は彼らの中に入ると、いたって普通の人になった。

社会人になってすぐに稟議書とか注文書を作成することがあったが、その時の金額にならぶ「0」の多さにびっくりした。単位がでかすぎた。

実感が持てないまま、見たことのない金額を扱っていた。(当然、書類ドラフトしたり、稟議あげたりするだけだけど)

しばらくしたときに地元に帰って、いきつけの粉モノ屋(たこ焼きとか焼きそばのこと)さんにいったら、おばちゃん4人が汗だくになりながらたこ焼きを焼いていた。

人気店で持ち帰りが多いらしい。

うずたかく積まれた持ち帰り用のパックを見てこんな会話をした。

 

僕:「すごい人気やね。景気ええね。」

おばちゃん:「ありがたいことやで。1時間で30人前焼かなあかんわー」なんて会話があった。

 

凄いな、1時間で30人前か。。。とふと考えたら、1パック500円で30人前で15,000円

おばちゃん4人が汗だくになりながら、必死で焼き続けて、「売り上げで15,000円」だった。

このまえ自分が稟議を回した金額の100分の1、もしかしたら1000分の1くらいの金額だったように思う。

ふと、「ああ、地元には自分がもう帰ってくる場所ないんかぁ」なんて考えたりした。

それでも、地元の居心地の良さはある。

知り合いのおじさんとはこんな会話があった

おじさん:「ええとこ就職したらしいな!でっかい会社なんやって!?」

僕:「うーん。まあそうやな。大きいのはたしかやで」

おじさん:「どれくらい売上あるんや?」

僕:「うーん、XXX億とか、X兆とかなんかすごいあるわ」

おじさん:「ええ!!!すごいな!そしたらお前の給料も1億円くらいあるんやな!?」

僕:「え、ないで。社長でも1億あるかどうかわからんで。」

おじさん:「。。。なんや、意外に夢ないなぁ」

なんて会話があった。

かんがえてみたら、このおじさんをはじめとして、
地元の人は自分の店で「X万円の売り上げがあったから、X千円もうかった」というような感じの商売をしていた。

年間の店の売り上げが1000万円で年収100万~200万円とか、そういうかんじ。

だから、会社の売り上げたXXX億円とか聞くと、「そしたら給料はX億円やな!」みたいな発想になるみたい。

けして、経済的に豊かとはいえないけれど

「でもまあ、金やないな。うちは金はないけど幸せに生きとうで!」みたいな人たちが多かった。

僕はそんな人たちと会話するのが好きだった。

日々汗水たらしながら、単価数百円の商品を作ったり、売ったり、買ったりする世界には手触り感があった。

でも彼らからしたら、「東京の大きな企業」というのは、それがどんな会社なのかは知る由もないけれど、とってもすごいところにうつるみたい。

「ゆうきゅうきゅうか」ってなんなんや?なんで、休んでんのに給料もらえるんや?

「ぼーなす」って出るんか?

なんて、不思議そうに尋ねられることが多かった。

母親も「あんたせっかく大学出たんやから、大きな会社はいらなあかんで!!」みたいなことを言っていたが、

いざ大きな会社に内定したことを告げたら、狂喜乱舞して喜ぶかとおもったら

「。。。あんた!。。。それちゃんとした会社!?」

と聞いてくるしまつ。

一応、普通の社会人ならだれでも知っているレベルの会社だと思ったけれど、いわゆるB to C企業ではないから会社勤めの経験のない母は全然知らなかった。(かろうじて父は知っていた)

だから僕が就職してしばらくは店のお客さんに「うちの息子東京で働いてるねん」という話をして、

「へー、どこなん」

「なんか知らんけど、XXいうとこや」

「おー!ええとこやがな!」

「え、そうなん?」

みたいなことがよく合ったみたい。

それで、数年したら聞かれてもないのに「うちの息子、東京で働いてるんや。XXいう会社なんや。」と自ら話すようになった。

僕はそういうのあんまりみっともないんじゃないかい?という話ていたけれど、喜々として語る母を見ていると、これはこういう形の親孝行もあるんだなぁ、なんて感じたのだった。