「子育て社員に優しい企業ランキング」が東洋経済に掲載されていました。
TOP10は以下のような顔ぶれです。本当にこれら企業は子育てに優しい企業なんでしょうか?
子育てに優しい企業ランキング
順位 | 企業名 | 育休取得者数(2015年度) 男女合計 |
1 | 三菱UFJフィナンシャルグループ | 2229 |
2 | 日本生命保険 | 1922 |
3 | 日本電信電話 | 1632 |
4 | みずほフィナンシャルグループ | 1425 |
5 | 三井住友フィナンシャルグループ | 1262 |
6 | 第一生命ホールディングス | 1143 |
7 | ファーストリテーリング | 1007 |
8 | 東京海上ホールディングス | 860 |
9 | SOMPOホールディングス | 831 |
10 | 明治安田生命保険 | 810 |
※参考情報より抜粋
元ネタはCSR企業総覧2017なる資料らしいのですが、
確かに人数だけで見ると三菱東京フィナンシャルグループがトップです。
しかし単純に「取得者数」でランキングして順位を出しても意味があまりないような気がします。
三菱UFJフィナンシャルグループの連結従業員数は10万人を超えています。
一方10位の明治安田生命保険の従業員数は約3.7万人です。
3倍近い従業員数の違いがあり、育休取得人数も同じように3倍程度の差があります。
単純に合計人数だけで比較しても企業の姿勢は見えてきません。
そこで、これら上位企業の5年前の取得者と比較してどれだけ増えたのかを見ることで、
子育て支援に積極的な企業かどうかをみてみたいと思います。
5年前からの増加率を見ると。。。
同じランキングで2015年度の数値と2010年度の数値があったので、比べてみました。
5年間どれくらい変化があったのでしょうか?
順位 | 企業名 | 2015 年度 |
2010 年度 |
増加率 |
1 | 三菱UFJフィナンシャルグループ | 2229 | 1321 | 1.69 |
2 | 日本生命保険 | 1922 | 997 | 1.93 |
3 | 日本電信電話 | 1632 | – | – |
4 | みずほフィナンシャルグループ | 1425 | 1086 | 1.31 |
5 | 三井住友フィナンシャルグループ | 1262 | 476 | 2.65 |
6 | 第一生命ホールディングス | 1143 | 930 | 1.22 |
7 | ファーストリテーリング | 1007 | – | – |
8 | 東京海上ホールディングス | 860 | 386 | 2.23 |
9 | SOMPOホールディングス | 831 | – | – |
10 | 明治安田生命保険 | 810 | 657 | 1.23 |
※参考情報より筆者作成
5年前からの増加率では、
5位の三井住友フィナンシャルグループが2.65倍でダントツトップになっています。
東京海上、日本生命も約2倍の増加率です。
合計人数ではトップだった三菱UFJフィナンシャルグループは1.69倍です。
もともと人数が多いだけに、この5年の「増加率」は三井住友フィナンシャルグループが勝っています。
三井住友フィナンシャルグループが近年子育て支援に積極的な姿勢であることがわかります。
さらに男性の育休取得者の数と増加率はどうでしょうか?
男性の育休取得人数と増加率
順位 | 企業名 | 2015年度 | 2010年度 | 増加率 |
1 | 三菱UFJフィナンシャルグループ | 235 | 232 | 1.01 |
2 | 日本生命保険 | 340 | 5 | 68.0 |
3 | 日本電信電話 | 58 | – | – |
4 | みずほフィナンシャルグループ | 482 | 270 | 1.79 |
5 | 三井住友フィナンシャルグループ | 466 | 26 | 17.9 |
6 | 第一生命ホールディングス | 136 | 58 | 2.34 |
7 | ファーストリテーリング | 4 | – | – |
8 | 東京海上ホールディングス | 116 | 21 | 5.52 |
9 | SOMPOホールディングス | 266 | – | – |
10 | 明治安田生命保険 | 136 | 0 | – |
※参考情報より筆者作成
日本生命の68倍はもとの人数が少ないのも要因ですが、かなり風土が変わってきているのが読み取れます。
驚きなのは三井住友フィナンシャルグループの17.9倍に対して、三菱UFJは1.01倍と大きな差があることです。
5年間で18倍という数字は出来過ぎなので、おそらくかなりの人数は1週間程度の短い休暇をもってカウントしているものと思います。
それでも女性も含めた合計人数の増加率、男性の取得者の増加率いずれからも、
三井住友フィナンシャルグループが三菱UFJフィナンシャルグループよりも子育て支援に積極的だと見て取れました。
息子の口座を三菱東京UFJで作った身としては少し寂しい気もします。
UFJに限らず、これら日本を代表する企業には積極的に子育て支援に望んでいただき、
日本の職場風土改革の先陣をきっていただきたいと思います!
今後も子育て支援に積極的な企業をブログで取り上げていきたいと思います。
参考にした情報: