社会人になりたての20代前半のころ、よくどうやったら幸せになれるんだろうと考えていました。(考えているということは、おそらくそのときは幸せではなかったんだと思いますね)
それで結構いろんな本を読んだんですが、そのなかで出会ったものの中に「ポジティブ心理学」があります。
ポジティブ心理学と普通の心理学の違いは何か?
ポジティブ心理学はその名の通り、人がポジティブ=前向きに生きるにはどうしたら良いかを考えている心理学です。
この分野で有名な人にマーティンセリグマンがいます。アメリカのプレゼンテーションショーTEDに動画があります。
もう10年以上前の動画ですが、セリグマンはポジティブ心理学について以下のように分かりやすく説明しています。
セリグマン「かつての心理学は病気の人を普通の状態に戻すことにだけを考えてきた。しかしポジティブ心理学は普通の人たちをよりよく前向きに生きていくようにすることを考える」
これすごい当たり前のことのようで、新鮮な話ではないでしょうか。
日本でもメンタルクリニックって山ほどあるけれど、うつをはじめとした精神疾患への治療がメインです。
セリグマンのいうような「どうやったらよりよく前向きに生きていけるか?」というのは心理学や精神医学の世界で扱われることはなく、自己啓発の世界として扱われてきました。
自己啓発は宗教や精神論に終始するようなものが多いでしょう。
でも、ポジティブ心理学はこれを科学的なアプローチで解決しようとしています。
「どうやったら前向きに生きられるか」を科学的に分析することは「どうやったら幸せになれるのか」という事と同義だと思います。
その意味で、ポジティブ心理学は幸せになる科学と言えるかもしれません。(幸福の科学というとまた違うニュアンスになりますが。。。)
ハーバードでも人気のポジティブ心理学
ポジティブ心理学についてはセリグマン以外にもTEDで話している人がいます。
個人的にはセリグマンの話よりも、こちらのハーバード大学で講師を務めていたショーンエイカーの動画の方が面白くて好きです。
冒頭の彼が幼いときの妹とのエピソードが秀逸です。
小さな子供だった彼がある日、妹をベッドから突き落とします。下に落ちて四つん這いでいまにも泣きそうな妹。このまま泣かれたのでは、両親に怒られてしまう。
そこで彼がとった行動が非常に面白い。(オチは動画冒頭をごらんください。)
人間は同じ出来事でも捉えら方しだいで大きく感じ方がかわるということを示しています。
ポジティブ心理学は2000年代からアメリカで流行り始めたようで、2006年のハーバード大学でもっとも人気が高かった授業はポジティブ心理学に関するものだそうです。
動画のスピーカーであるショーンエイカーはその授業でサポート役の講師をしていたようです。
ポジティブ心理学でオススメの本
こうしたポジティブ心理学の本は色々と名前をつけられて出ているのですが、わたしがその中でも良書と感じるのは米カリフォルニア大学の心理学教授 ソニア・リュボミアスキーのこちらの本です。
[amazonjs asin=”4534049250″ locale=”JP” title=”幸せがずっと続く12の行動習慣”]こちらのポジティブ心理学のサイトにも本の紹介がありますが、この本の冒頭に「人間が幸福感を感じるために自分でコントロールできるものは40%」という話が出てきます。
この40%とは自身の行う習慣や行動のことです。
え、じゃあ残りの60%は?というと、50%が遺伝的なもの、10%が環境的なものです。
ここでたった40%しか自分でコントロールできないのか。。。とがっかりする必要はありません。
なぜなら、普段私たちが考えがちな「もっとお金があれば幸せになれる」とか「この仕事につけたら幸せになれる」というのは、「環境的なもの」つまりたった10%しか幸福度に影響をしていないと科学的に示されているからなのです。
自分がとっている行動を見直し習慣を見直していくことが、経済的に豊かになることよりも4倍も幸せに影響するというのです。
そしてこの本ではその幸せに繋がる行動や習慣を12個示して、その中で何が自分に向いているかを簡単な質問で知ることができます、
非常に実践的で面白い内容なので、「幸せになりたい」という人は是非読んでみてください。