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レスリング協会のパワハラ問題の経緯⑴全否定→⑵ラスボス?谷岡副会長登場→⑶第三者調査&パワハラ認定

2018年3月2日時事問題/その他

※谷岡副会長の登場、第三者委員会の結果を受けたパワハラを認めた経緯も追記しました。

日本レスリング協会の栄和人強化本部長が、スポーツ界の至宝、オリンピック4連覇&国民栄誉賞受賞者でもある伊調馨選手とそのコーチに対するパワハラ疑惑で注目を集めています。

日#* 0 *#本レスリング協会は疑惑を「全否定」

両者の言い分が全く異なるので、何らか正式な調査が行われて事実確認されるまでパワハラがあったのかどうか安易に判断できないよなー、と思っていた矢先、

栄和人強化本部長の所属する日本レスリング協会がパワハラ疑惑を「全否定」する見解を発表しました。

それでまあ上記リンクにある全文を読んだのですが、

わかりやすく言い訳っぽい書き方がされていて、もはや微笑ましいです。

自分で自分の首を絞める「ブーメラン」な感じの仕上がりが見事でした。

以下にポイントを記載します。

「注意喚起」はしたけど「不当な圧力」はかけてない?

見解は以下のような「全否定」からはじまります。

まず、当協会が伊調選手の練習環境を不当に妨げ、制限した事実はございません。同様に、当協会が田南部力男子フリースタイル日本代表コーチ(以下「田南部コーチ」といいます。)に対し、伊調選手への指導をしないよう不当な圧力をかけた事実もございません。

と全否定した上で、以下のように続けます。

当協会は、田南部コーチを男子フリースタイル日本代表チームの育成・強化を期待し、同チームのコーチに委託させて頂きました。

 この点、当協会の強化本部は以下の3チームに区分けされております。

 ・男子フリースタイル強化委員会(フリーナショナルチーム)

 ・男子グレコローマン強化委員会(グレコローマンナショナルチーム)

 ・女子フリースタイル強化委員会(女子ナショナルチーム)

 上記各3チームは、それぞれ別の監督、コーチ、トレーナー、選手で構成されており、各チームのスタッフには、自らのチームに所属する選手の育成・強化という責務を全うすることが期待されております。

 そうした中で、男子フリースタイル代表の田南部コーチが、各代表チームの垣根を越えて、伊調選手に対する指導を行うことによって、委託の本旨である男子フリースタイルチームの育成・強化が疎かになることのないよう同コーチに対し注意喚起をしたことはございます。

 しかしながら、当協会から伊調選手に対する指導を禁止したことや、指導をやめさせるべく田南部コーチやその周囲に不当な圧力をかけたことは一切ございません。

「不当な圧力をかけたことは一切ございません」といいながら、

「注意喚起をしたことはございます」というのは、

非常に言い訳がましい書き方に見えるのですが気のせいでしょうか。

「男子合宿」での練習は「男子」の練習が終わってから?

さらに以下のように続きます。

また、当協会として、伊調選手に対し、男子代表合宿への参加を禁止したこともございません。

 もっとも、男子代表合宿にあたっては何よりもまず男子代表選手の強化が優先さればならないものですから、伊調選手が男子合宿に参加することによって、男子選手の練習に影響が生じることがないよう、男子合宿に参加して田南部コーチの指導を受ける場合には、男子選手の全体練習終了後に指導を受けるよう伝えたことはございます。

「男子合宿に参加は禁止してない」と書いてますけど、

男子と練習したいから参加希望している人に対して

「男子合宿に参加する場合は、男子選手の練習が終わったあとに指導をうけろと言いました」

って「参加するな」といってるのと同じじゃないでしょうか。

「選手のための団体」という「客観的事実」?

で、何よりも違和感があったのは、次の部分です。

最後になりますが、当協会は、日本におけるレスリングの統括団体として、レスリングを発達されることにより、国民の体力とスポーツ精神の向上に資すことを目的とする団体であります。当協会の本分は、選手の育成・強化であり、そのために必要な指導者の育成・選抜、練習環境の整備、各種選手権の実施など、徹頭徹尾「選手のための団体」であります。遡ること、八田一朗会長の時代から、当協会は、理念と哲学を持って選手強化にあたっており、その結果、男子レスリングはフリースタイル、グレコローマン共に日本の名を世界に示し続け、女子レスリングにあっても世界選手権・オリンピックにおいて多くのメダルを獲得する等着実に実績を積み重ねております。

 本来であれば、2020年東京オリンピック開催を控え、選手、コーチ及びその他関係者が一丸となって「金メダル」という一つの目標に向かって邁進しなければならないこの時期に客観的事実と異なる報道がなされたことを非常に残念に思います

「客観的事実と異なる報道がされていることを残念に思う」といいながら、

その手前で「おれたちは徹頭徹尾、選手のために正しいことやってきた!!」という

「客観性の無い話」を書いているセンス。。。
(メダル獲得などの実績は事実ですが、姿勢云々は主観ではないでしょうか?)

そもそも、その「客観的事実」を確認するために「客観的な調査」が必要なんですよね?

第三者機関による調査も入れないで「客観的事実と異なる報道」というのが、

逆に何の客観性も見られない。

もちろん、パワハラはまだ疑惑であって事実かどうかはわかりません。

ただこの段階で全否定見解を出す姿勢は、

パワハラ有無にかかわらず、世間に協会の隠蔽体質があることを疑わせるには十分すぎます。

この協会ってちゃんと広報担当とかいるのか心配になります。

谷岡郁子・至学館大学学長のブーメラン会見

先日この問題に新たな燃料投下がなされました。

谷岡郁子・至学館大学学長の会見です。

もはやワイドショーの格好のネタになっていますが、「そもそも伊調馨さんは選手なんですか」「その程度のパワーしかない人間なんです、栄和人は。パワーのない人間によるパワハラはない」などご発言が話題になっています。

そんな発言を受けて、「画面からのパワー自体がハラスメント」「あんなに“圧”のある学長が統括する組織ならパワハラがあってもおかしくない」などという批評も飛び出すブーメラン会見だったという記事もあります。

上記の記事ではこの谷岡学長のブーメラン気質は、議員時代に所属した民主党文化(民進党)であり、そこで身につけたのだろうと言っています。

なるほど、たしかに民主党、民進党のブーメラン芸は名人レベルのものであることは些かも疑いようがないと思います、

しかし、谷岡学長のそれは、けして議員時代に身につけたものだけではなくて、もっと昔からお持ちの気質なのではないだろうかと感じています。

記事ではこのようにも書いています。

「自分は批判されない特別な存在だ」と勘違いをするのだ。

当然だ。他人を厳しく批判をするには、自分は圧倒的な正義だという自信がなくてはならない。こういう「独善の罠」に陥った人というのは往々にして、自分に批判が向けられると、脊髄反射的に「批判」で応酬する。なぜ「正義」の自分が叩かれねばならぬのだと理不尽な世を呪い、「悪」に対して憎悪むき出しの罵声を浴びせるのだ。

自分を特別だと思うというのは、たしかに議員にありそうな話ですが、谷岡学長の場合のそれをもっと的確に表しているのは以下の記事のような気がしました。

それは「ヒロイン妄想」です。

この記事で谷岡学長の主張は要するに、

「栄なんていうのは、脇役なのよ。主役は私。道場を使わせられるのも私。栄より偉いのも私。栄ばっかりに着目して、私抜きで話題にするなんて許しまへんで」

と、「わたしに注目してよ!」というものであるといいます。

たしかに冒頭から「わたし怒っています。」とはじめてますね。

当初は生徒や教職員が風評被害に遭われているとかで、そういうことに対して怒っている。ということなのかなと想像していたんですけど、

話している内容や姿勢から、本当にご自身が蚊帳の外にいることについて怒っているのではないかとすら感じます。

松居一代の話を出すあたりが、たしかにわかりやすいと感じました。

松井一代さんのあの騒動を思い出してほしい。

演技がかった彼女のYouTubeでのオーバーリアクションに、日本中がいわば苦笑した。自分があの立場に追い込まれたらと、想像してみてほしい。日本のすみずみまで、あんな姿をさらしてしまったら、この世から消えたくなるのではないだろうか。

ところが、松居氏は、そんなことを微塵(みじん)も気にしていない。これがヒロイン妄想である。

そのとき、人は主観の塊になる。私たちは、他人が自分をどう見ているかという客観をある程度取り込んで、それによって主観を修正しながら生きている。

「私、私、私」と自分の主観に酔いしれ、他人から見た自分という客観的な視点を、完全に排除できるのが、主役病なのだ。

松居一代さんと谷岡学長。たしかに不思議と似ているような気がしてしまいます。(記事では見た目の違いを辛辣に述べていますが、姿勢は似ていますよね。)

日本のメディア界はまた少しの間持ちそうな人材を見つけられましたね。。。

第三者による調査結果を受けパワハラ認める

その後、弁護士などで構成される第三者委員会による調査の結果、案の定「パワハラがあった」という報告書があがりました。

協会はこれを受けて、栄監督による伊調選手、田南部力コーチへのパワハラの事実を認めました。

具体的には、伊調選手に対して「よくおれの前でレスリングが出来るな」と発言したりアジア大会の代表選考から外れた理由を説明しなかったことが挙げられています。

また田南部力コーチにも、「伊調選手を指導するな」と発言。合宿中の正当な用事のある外出も叱責するなどの行為を行っていたといいます。(こちらに記載があります)

これを受けて、栄監督は強化本部長を辞任する意向を示し、協会はこれを受理しました。

ここからがはじまりか?

当初、十分な調査もせずに全否定する姿勢を示したことはいただけませんが、第三者委員会の調査を実施し、報告書に従ってパワハラを認めたことは、まずは協会の姿勢を評価すべきかと思います。(当たり前のことをしただけですが)

結果、栄監督は辞任することになったわけで、もともとの告発状における栄監督のパワハラ事案については、まず一つの結論がでました。

しかし、これは終わりではなくて、改革のスタートだと思います。今回の調査とは別に、協会を監督している内閣府の委員会も聞き取りなどの調査を行っているようです。

前回の谷岡副会長の会見からも伺える一部権力者による独善的な運営を今後どのように改革していくのか。コンプライアンス体制をどのように構築していくのか注目だと思います。

これを機にレスリング会だけではなくて、学校の部活動も含めた日本のスポーツ会の悪しき慣例にもメスを入れて行っていただきたいと思うのですが。(→ブラック部活動問題