週間文春による不倫疑惑報道に対する記者会見で小室哲哉さんが突然の引退宣言をしました。
その表情や口調には、深い疲れが現れていました。
山尾志桜里さんの時にも書きましたが、不倫報道なんてどうでもよくて、その人が社会に良い影響を与えているのなら、それ以外のことは個人の問題でしょ、と思っています。
だから今回の小室哲哉さんの引退報道を知った時は、「60近い大人が何をしても自由」、不倫疑惑なんかで「日本の才能が刈り取られる」なんて無駄すぎると感じました。
世間ももう不倫問題には飽き飽きしていて、小室さんが引退するという事案に触れて「文春いい加減にしろ」というような空気を出してきています。
その意味で、小室哲哉さんの引退はここ1年ほど加熱してきた不倫報道の分水嶺になるような気がします。「もう不倫疑惑を叩くなんて不毛なことはやめよう」という社会の意識を引き出したような気がします。
しかし、少し時間が経って各種報道を見ていると今回小室さんの引退が投げかけたのは、「不倫報道の不毛さ」だけではなく、もっと大きな大きな社会問題だと感じるようになりました。
それは、仕事と病気の問題、仕事と介護の問題。
つまり「介護離職」、「病気離職」の問題です。
小室哲哉さんが投げかけた社会問題
会見の最後に小室さんが語った言葉が、まさに社会に対する投げかけでした。
最後に一言だけいいですか。僕たった1人の人間の言動などで日本であったりとか社会が動くとはまったく思っておりませんが。
先ほども言いましたように、なんとなくですが、高齢化社会に向けてであったりとか、介護みたいなことの大変さであったりとか、社会のこの時代のストレスであったりとか、そういうことに少しずつですけどこの10年で触れてきたのかなと思っているので。
こういったことを発信することで、みなさんも含めて、日本をいい方向に少しでもみなさんが幸せになる方向に動いてくれたらいいなと心から思っております。微力ですが、少しなにか響けばいいなと思っております。ありがとうございます。
(参照元はこちら)
すでに報道で語られた通り、小室さんは7年前から妻のKEIKOさんのくも膜下出血とその後遺症に対する介護に尽力していました。
そして会見の中でも「3年くらい前から疲れてきていた。」、「2年前にはC型肝炎を患った」と精神的にも体力的にも限界にきていたことをうかがわせる発言をされています。
これは不倫報道による引退ではなくて、介護、病気による引退でしょう。
介護疲れ、闘病疲れで心身ともにボロボロの中、頼りにしていた看護師との関係を不倫疑惑として取り上げられた。辛いと思います。ただ、会見の報道を見ていると不倫疑惑はあくまでもきっかけで、元々もう限界だったんだと感じました。
彼が最後に伝えたのは、他にもたくさんいる介護、病気で疲弊しているあろう人たちの、今まで声に出せなかった思いのような気がします。
介護や病気で仕事を諦める人はどれくらいいるのか?
介護と病気で仕事やキャリアをあきらめる人はどれくらいいるのでしょうか?
少し調べたところ、日本で介護をしている人は200万人以上、そして介護離職する人は年10万人以上いるいうデータが出てきました。(こちらを参照)これは放置しておけば高齢化によって今後間違いなく増えていく数値だと思います。
また、病気離職は、全体の数値がわかりませんでしたが代表的な病気であるガンだと罹患者の34%が離職しているとありました。(こちらの厚生労働省資料)
精神疾患では、過去1年にうつなどのメンタルヘルス不調による1ヶ月以上の休職や退職があったという事業者は4社に1社、IT業界などでは5割を超えているようです(こちらを参照)
これだけみても、介護離職、病気離職は全く他人事じゃないことがわかります。
あの小室哲哉さんでさえ、自分の病気と介護が重なると引退するまで追い詰められてしまう。ましてや、一般人だったらひとたまりもないと思います。
何か社会に支えとなる仕組みが必要ではないでしょうか。
次は介護や病気で仕事・キャリアを諦めなくてよい社会に
「保育園落ちた日本死ね」というブログがとりあげられてから、世の中の子育て支援に対する見方は急速に変わっていったように思います。
また電通の悲しい事件を契機に、長時間労働を見直す働き方改革も社会全体の問題として大きく取り上げられるようになりました。
今回の小室さんの報道では不倫疑惑がクローズアップされがちですが、この事件を契機にわたしたちが認識するべきは介護離職、病気離職の問題です。
すでに顕在化してきているこの問題を、育児や労働時間の問題と同様に、社会全体で対応していく必要があることを教えてくれたのだと思います。
それにしても、SMAP、安室奈美恵、小室哲哉。。。
平成の終わりが近づくにつれて、平成を彩ったスターたちがいなくなっているように思います。
なんだか偶然では無いように感じます。きっと時代が変わろうとしているんですね。。。

