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82歳のプログラマー若宮正子さんに学ぶ人生100年時代のキャリア観。〜クランボルツの計画的偶発性理論〜

仕事/キャリア

Appleの招待でシリコンバレーで講演を行い、CEOのティムクックに面談。

国連でICTリテラシーについて講演。

そんな日本人プログラマーがいるのをご存知でしょうか。

若宮正子さん 82歳 です。

80歳のアプリおばあちゃん

 

60歳からパソコンをはじめて、80歳でプログラミングをはじめた。という話で有名な若宮さん。

80歳を過ぎてからiPhoneアプリの開発言語であるSwiftを勉強して、実際に「hinadan」というひな壇をモチーフにしたゲームアプリをリリースしています。(しかも7万ダウンロード)

そんな彼女には世界のIT業界からも尊敬の目が向けられています。

冒頭に記載したようにAppleのCEOティムクックと会談したり、今度は国連で講演するようです。こちらの記事に記載されています。

人生100年時代の学び方、働き方

若宮さんは日本政府の「人生100年時代構想会議」に有識者として参加もしています。

80歳からでも新しい知識やスキルを学んで、アプリ開発をやる若宮さんの姿勢は人生100年時代への備えを考える上で、非常に示唆に富んでいると思います。

わたしが感銘を受けるのは若宮さんが仰るこんな言葉です。

お若い方で、早いうちから「何年で何を達成して……」などと細かく人生の計画を立てている方がいらっしゃるそうですが、今は世の中がすごく変わってきているでしょう? だから、あんまり計画ばかり立てていても、無駄だと思えるんです。せっかく計画を立てても、人工知能がどんどん増えてきたら、今繁盛している商売なんかは要らなくなっちゃうかもしれない時代ですから。

私が40年以上も務めた銀行員だって、これからどうなるかわからないですしね。それでも人工知能の時代にふさわしい、新しい仕事はできるはずです。だからこそ自分を枠にはめないで、柔軟に将来を眺めることが大事。風見鶏的な感覚は、これから必要だと思うんです。「あ、次はこっちだな」となったら、ぱっと切り替える。いろいろ踏み出してみて、トライアンドエラーすることは、悪いことじゃない。

こんな、20代とか、30代の起業家が言いそうな話を80歳過ぎた方が仰るのはすごいです。

まして自身が40年も務めた銀行すら「これからどうなるかわからない」と客観的にみていらっしゃる。

だいたい人間は自分の過去を肯定したがるものだから、歳をとるほど自身の経験にこだわって新しい分野に飛び込めないものだと思います。

でも人生100年時代では、もはや一つの分野だけで50年も60年も働き続けられないですよね。

この若宮さんのように、60歳でも80歳でも新しいことを学んでいくという姿勢がこれからますます大切になるのだと思います。

若宮さんのキャリア観は「計画的偶発性理論」かも

若宮さんが「若いうちから何年で何を達成してと計画ばかりしても意味がない」という話をしている部分もすごく共感します。

このフレーズって、スタンフォード大学のクランボルツ博士が提唱しているキャリア論「計画的偶発性理論」(Planned Happenstance Theory)にぴったりな気がするんですよね。

これはわたしが社会人になる前後で聞いたキャリアに関する講演会でも紹介されていて、とても印象に残っている理論です。

こちらに解説がありますが、ものすごくざっくりいうと、

 

  • キャリアの8割は計画されたものではなく、予期しない出来事や偶然の出会いによって決定される
  • 興味を持つことに日頃から目を向け行動を続けることで、「良い偶然」が起こる可能性を高めることができる

POINT

という理論です。

まず「キャリアの8割は偶然の出来事や出会いによって決定するので計画ばかりしても意味がない」としています。

しかし、一方でキャリアというのは全く他人任せ、運任せでよいかというとそうではなくて、「興味があることに意識を向けて良い行動をしていけば、良い偶然の出会いや出来事が起こる確率を高めることができる」。としています。

つまり、個人にできることは計画を立てることでも、偶然を待つことではなくて、良い偶然が起こるように行動する努力していくことである。

というような考え方です。

まさに若宮さんがいうような

自分を枠にはめないで、柔軟に将来を眺めることが大事。風見鶏的な感覚は、これから必要だと思うんです。「あ、次はこっちだな」となったら、ぱっと切り替える。いろいろ踏み出してみて、トライアンドエラーすることは、悪いことじゃない。

という言葉にも非常に通じるものがあると思います。

クランボルツ博士の書籍はこちら。

結構古いので、慶應義塾大学院の高橋俊介教授の著書が読みやすいかと思います。

計画的偶発性理論のことだけを述べているわけではないですが、昔、高橋さんの講演会に行った時に「わたしが最初に計画的偶発性理論を日本に紹介した」と仰っていたように思います。

 

以下の記事からも、若宮さんがアプリ開発までたどり着けたのも若宮さんのそれまでの行動が「良い偶然の出会い」を生んだからだというように感じました。

 

若宮さんのようにいつまでも前向きに好奇心をもって行動し続けることが、良いキャリア、良い人生につながり、人生100年時代を生き生きと過ごす秘訣なのではないかなぁと思います。